エコ・ステーション通信 |
Vol.1
苅田町ではタウンマネージメント計画(中小小売商業高度化事業計画)に基づき、平成14年6月潟sュアタウン苅田を立ち上げました。
現在、広域交流型商業施設の運営・管理、歩きたくなる歩行者空間の整備、商店街共同駐車場整備といった大きな事業の検討を始めとして17の事業が掲げられています。その中で商店街活性化事業(広域ソフト事業)のひとつとして、この度、苅田町神田町1丁目にエコ・ステーションを開設することとなりました。これを簡単に言いますと、商店街が新たな視点として「環境」という言葉をキーワードに、今まさに生まれ変わろうとしているのです。これは苅田町にとっても商店街にとっても、ひとつの大きな意識改革にほかなりません。
☆エコ・ステーションってな〜ぁに?
「エコ・ステーション」を日本語に置き換えると「環境・駅」ですが、これでは全くもって意味が通じませんから、もう少しわかりやすく説明をしますと「環境に目を向けて旅立ちをしようとする始発駅」ということになります。もしくは「環境をテーマとして人の行き交う拠点」とでも言いましょうか。
今はまだ、空き缶回収機が2台設置されて、商店街マップが貼られ、苅田町で取り組まれている環境保護活動が紹介されているだけですが、このエコ・ステーションには素晴らしく大きな可能性が秘められています。即ちこれまでにない空き店舗対策として、苅田町住民のみなさんや商店街の方々のアイデアと使い方次第で
例えば ・ 苅田町の環境情報を発信する基地として
・ 個々人の作品発表の場として
・ ちょっとした物づくり教室の拠点として
・ 体験販売の受け入れ窓口として
その他、様々な人々の交流を紡ぎだす打ち出の小槌となる可能性があるのです。
どうか、種々様々なアイデアを店内のアイデアBOXにお寄せください。実現可能なことは検討の上、随時採用させていただきます。
☆空き缶回収機の果たす役割
苅田町の住民アンケートによると苅田町に住んでいる8割の人が、環境に対する意識はあるけれど、どう行動すれば良いのかわからないと思っています。
そこで登場したのが空き缶回収機です。空き缶を投入すると同時にスロットマシーンのドラムが回って、当たると商店街の割引券や無料券などのサービス券が発券されます。この空き缶回収機によって
参加者にとっては、タダで楽しみながら、しかも空き缶のポイ捨てをしないことで環境浄化に協力するきっかけ作りをすることができる 商店街にとっては、環境保護活動と共にラッキーチケットとして発券される商店街の割引券や無料券によって商店街の集客に結び付けることができる |
という利点を生かすことができます。
この空き缶回収機で、商店街ひいては苅田町の空き缶がひとつ残らずなくなれば、苅田町のイメージが数段アップすることは間違いありません。できることを、できる人が、できるところから始めることが地球環境を守る第一歩です。
こうして考えてきますと、商店街を変えるには何が必要かが少し見えてきたのではないでしょうか。商店街の外観や規模も確かにおろそかにはできませんが、商店街を変えていこうとするすべての人々の熱意・アイデア・行動が魅力ある商店街を創り出すということがです。
商店街は物の売り・買いだけで成り立っているのではなく、その町の雰囲気をも左右しますし、商店街のあり方が人と人との交流のあり方をも決定づけます。
時代は変化します。「環境」を抜きにして生活のできる時代は終わりました。苅田町商店街も変わります。未来に向かって成長し続ける商店街として。
Vol.2
私たちは、苅田町に住んでいながら苅田町商店街のことを知っているようで、案外知らないことが多いものです。今回は手始めに苅田町商店街について5つの質問をしてみましょう。
Q1.苅田町商店街にお店の数はいくつ?
Q2.苅田町商店街に一番多いのは何屋さん?
Q3.苅田町商店街はいつ頃できたの?
Q4.苅田町商店街に一番古くからあるお店は?
Q5.苅田町商店街がモットーにしている言葉は何でしょう?
どうですか?いくつわかりますか?では、苅田町商店街のことを少しご紹介しましょう。
☆苅田町商店街の歴史
現在、「苅田町商店街」と言われて、みなさんが思い浮かべるのはどの辺りでしょうか?
恐らくは苅田駅前から南へは鳥居附近まで、東へは国道までの範囲に収まるくらいでしょうか。或いはもっと広範囲をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。
その昔、昭和の初期頃の苅田駅周辺は田んぼの中にお醤油屋さん・材木屋さん・お米屋さん(現ともだ商店)などが数軒あるだけでした。この頃、人々が生活必需品を行橋まで買いに出かけるのはそれほど珍しいことではありませんでした。ちなみに昭和26年頃まで苅田町に塩田があったことなど、今では想像することもできませんね。
現在の駅前通りが少しずつ開けてきたのは、昭和16年から道路が整備され(町内の区画整理・道路整備がなされ、駅前通りは直線で国道と結ばれました)、昭和22年頃から工業都市化が始まってからのことです。昭和31年に九州電力苅田火力発電所が操業を開始した頃から、人々の需要に応えるために一気に商店街が発達してきました。
苅田町商店街で多いお店の職種は、昔から専ら「洋品店」であると言われていますが、最近では「美容院」も負けないくらい多いようです。
現在、苅田町商店街は、その数約100店舗(飲食店は除いて)、
そのうち約半数が苅田町商業組合に加盟しています。
(苅田町商業組合の前身とも言える苅田町商店連合会には、
現在の倍に当たる110ものお店が加盟していました)
近年、郊外型の大規模なスーパーマーケットやモールの進出によって、従来の商店街はどこも集客率が伸び悩んでいる状態です。これは全国的な傾向です。もちろん、苅田町も例外ではありません。
人々のくらしと商店街の関係は切っても切り離すことが出来ないほど、深く結び付いています。商店街を調べれば、その街を知ることができると言います。商店街はその街の顔として街の発展に貢献をもたらしてきました。商店街が活性化すれば街もまた活性化するという訳です。
☆未来型商店街へ
商店街のよさは何といっても身近であることに尽きます。
顔と顔の見える関係、つまり人とのであい・ふれあいを大切に
育むことができる点です。
かたくなに伝統を守ることで賑わっている商店街もあれば、
独創的な有様を演出して賑わう商店街もあります。
苅田町商店街では、「環境」をキーワードに生の商店街を体験できる場を子ども達に提
供するとともに、勉強した成果を発表する場も提供していくことを考えています。商店街の果たす役割を身をもって体験する中で、今以上に商店街のあり方が見えてくるかもしれません。
他にも「環境」で商店街の活性化に取り組んでいる例として
○早稲田商店街(東京都) お客さんが持参した生ごみを堆肥化することにより、その堆肥でできた野菜を 一定量に達したお客さんに贈呈する ○輪西商店街(北海道室蘭市) エコ商品の販売や、地元企業と連携したリサイクル機器の開発・設置。地元NPO と連携し、地場製造業が取り組む環境配慮事業の工場見学とタイアップしたエ コツアーの企画 |
などがあります。
苅田町商店街では環境と人々にやさしい街づくりを目指して「環境は身近なこと、街づくりは近所づきあい」を合言葉にがんばります。
次回は、環境にやさしい商店のあり方や環境にやさしい取り組みをしている商店の紹介、私たち消費者ができることなどを紹介します。
Vol.3
エコ・ステーションに空き缶回収機を設置して、はや2ヶ月がたちました。毎日のように訪れる小学生や、小さな子どもさんを抱いて来られるお父さん、遠方からわざわざ自転車で空き缶を持って来て下さる方もおられたり・・・と空き缶回収機は少しずつではありますが、確実に苅田町商店街の顔になりつつあります。
アイディアBOXにも様々なご意見が寄せられて、嬉しいかぎりです。
それでは今回の通信では、みなさんが空き缶回収機の他にも身の回りで、無理なく取り組むことのできる「ゴミ減量作戦」をご紹介しましょう。
☆ご存知ですか・・・4R運動
まずは4Rの説明から。
4Rとは
Refuse いらないものをことわる Reduce 買う量・使う量をへらす Reuse くり返しつかう Recycle もとの資源にもどす |
の4つの単語の頭文字をとったものです(地域によってはRefuseを除いて3R運動を展開しているところもあります)。具体的には私たちはどのようなことができるのでしょうか。
例えば次のようなことがあります。
□ ものは最後まで大切につかう □ メモをして必要なものだけ買う
□ 簡易包装に協力する □ 量り売り・バラ売りを利用する
□ 買いだめをしない □ 詰め替え商品を利用する
□ マイバッグを持参してレジ袋を断る □ 牛乳パックやトレイの回収に協力する
□ エコマーク商品やリサイクル商品を購入する
□ 不用品はフリーマーケットやバザーを活用する
□ 資源としてリサイクルできるようにゴミの分別を徹底する
□ 生ゴミや草刈はEMぼかしなどで堆肥にする
どうですか。他にもゴミを減らすためにいろいろなことができそうですね。この他にどのような工夫ができるか、みなさん考えてみてください。
☆やってみよう!調べてみよう!
苅田町では一日に一人、約1kgのゴミを出しています。実に1年では一人365kgにもなります。ゴミの処理には莫大な費用がかかります。リサイクルのできない最終ゴミの埋め立て地はこれから先、何年ももちません。けれども一人一人がゴミを減らす努力をすれば、確実にゴミ処理の費用をおさえることもできて環境を守ることにもつながります。
日本のスーパーで使われる一日分のビニール袋をつなげると、何と地球を約20周するそうです。住みやすい環境を守ることは決して難しいことではありません。できる人が、できることを、できるところから、継続して取り組むことが大切です。
先ずは、左ページの「4R運動」の中で自分が取り組めそうな項目をチェックすることから始めてみましょう。また買い物をする時には、どのような商品にどのようなエコマークがついているのかを調べてみるのも楽しいことかもしれませんね。
Vol.4
エコ・ステーション通信1号でも紹介しましたように、苅田町商店街ではエコ・ステーションを未来へ向けた学習拠点としての位置づけをしてきました。
エコ・ステーションをはじめとして、商店街の各店頭に馬場小学校の4年生が描いた環境保護ポスターが貼られているのをごらんになった方も多いことでしょう。この馬場小学校の活動を第一弾とするならば、生の商店街を体験する第二弾として、この度の新津中学校の「出店体験販売」をあげることができます。
☆京築地区で初めての「出店体験販売(キッズマーケット)」
仕入れから、宣伝・販売・決算に至るまでのすべてを生徒自らの手で行うキッズマーケットに、来る2月7日(土)、新津中学校の1年生が取り組みます。一班11〜12名のグループに分かれて野菜や、お菓子・パン・日用雑貨・お花など15のお店を出します。各お店は、それぞれが独立した会社ですので社名もあれば、社長もいます。宣伝・販売・会計など、それぞれの役割も分担されています。
実施を間近にひかえた現在、どうすれば一人でも多くの方にキッズマーケットに来て頂いて、一つでも多くの商品を買って頂くことができるのかを真剣に考え、工夫を重ねています。何しろ初めての試みですので、取り組んでいる生徒や先生方、受け入れる商店街の人達もみんな一生懸命です。この一生懸命さの中で、生徒のみなさんは表現力や分析力・コミュニケーション能力など様々な能力を培い、流通のしくみを知り、お金の価値を実感することになるのでしょう。
また、このような生徒のみなさんのエネルギーが、きっと商店街を活気づかせることにもなるのでしょう。
当日はどんなお店がオープンするのか、とても楽しみですね。みなさん、新津中学校の1年生をどうか応援してあげて下さい。声を掛けてあげるもよし、もちろん買ってあげられるならば、それが一番です。
Vol.5
苅田町商店街で初めての出店体験販売を2月7日(土)に行いました。当日は寒波のもどりが一段と厳しく、時おり粉雪も舞うあいにくの気象条件でした。会場となる商店街駐車場でテントの設営作業をされていた方々は、恐らくこの天候をうらめしく思われていたことでしょう。本当にどうなることかと、最初は誰しも冷や冷やだったに違いありません。
☆新津中パワー全開!
ところが、いざキッズマーケットが始まってみると、威勢の良い子どもたちの掛け声。寒さもどこかに吹き飛んでしまうくらいの大きな声に、ついつい財布の紐がゆるんでしまうお客さんも。
開始から1時間もせずに完売をするお店もあれば、閉店間際まで粘り強く売り歩くお店もあり、販売する品種によって一様ではありません。12月から接客の仕方や販売の方法を学んだり、ポスターやちらしを作ったりとかいがいしく準備を進めてきた子どもたちにとっては真剣そのものの2時間半でした。商店主のみなさんからは「昔の商店街の活気がよみがえったようだ」・
「子どもたちのパワーで自分たちも元気づけられる」といった声が聞かれました。
☆やって良かった!体験販売
子どもたちはポスターを貼らせていただきにお店や公共施設をまわる中で、敬語の必要性に気づかされたり、実際にキッズマーケットで接客をする過程で計算力がためされたり、また、みんなで協力することの大切さをあらためて認識したり、相手の立場に置き換えて考える方法を身に付けたり・・・と、体験販売でひとりひとりが得たものは異なるのでしょうが、これからの人生できっと何かの役に立つことでしょう。仕入れや売り方の工夫を100回聞かされるより、実際にやってみて分かったことは忘れませんよね。
生徒のみなさんは商売の難しさを肌で感じ取っただけでなく、接客で得られる喜びも実感しました。また、仲間同志、商店街の方々、あるいは買い物をしてくださった地域の方々など、たくさんの人と触れ合う中で、自分自身を知るためのきっかけをつかむことにもなったことでしょう。
結果としての収益金は、一部社会福祉に寄付をさせていただき、後は学習資金として活用をさせていただきました。
尚、新津中学校のPTAの皆様をはじめとして、仕入れ、ポスター貼り、出店などでご協力をいただきました皆様方に遅ればせながら心からお礼申し上げます。
協賛店(順不同)
・山口玩具店 ・花楓月 ・桂口精肉店 ・サンリブ苅田店 ・キクヤ ・等覚寺特産グループ ・ラベンダーハウス ・山下豆腐店 ・大石産業 ・原田文房具店 ・パン工房小麦 ・ファミリーマートともだ ・マルショク苅田 |
Vol.6
平成16年2月7日(土)、新津中学校が苅田町商店街で初めて開催したキッズマーケットは予想以上に大好評でした。準備にかけることのできた日数はわずか2ヶ月ばかりでしたが、生徒のみなさんや先生方をはじめ保護者や商店街の方々などみなさんの思いを結集すれば、素晴らしい成果をあげられることを実証しました。この反響の大きさに応えるには、これはもうステップアップするより他ないですよね。
☆苅田町商店街で商業体験にチャレンジしよう!
苅田町商店街では、今年度から本格的に出店体験(キッズマーケット)を受け入れる準備に取り掛かっています。出店体験で育まれると考えられる能力は自主性・創造力・分析力・表現力・コミュニケーション力など計り知れず、課題解決学習として大きな力を発揮します。他にも出店販売を体験することによって
@
経済(流通)のしくみがわかる。
A
お金や物の大切さを知る。
B
学習者が自らの適性を知るきっかけとなる。
C
販売する商品によっては地域の再認識をしたり、環境問題を考えるきっかけともなる。
などのメリットがあります。
特に遠隔地の学校の方が苅田町商店街で体験販売を活用されると、自分たちの住んでいる地域のピーアールにもなりますし、異地域間の交流を促すことにもなりますよ。キッズマーケットは工夫次第で各方面に学習を発展させることが可能です。
☆他にもできるヨ、こんな体験
苅田町ではこの他にも、EM活性液による環境保全の勉強をしたり、廃棄傘でリサイクル買い物袋を作る体験もできます。
エコステーション通信bTで紹介をしたEM活性液は、雑排水などで汚れてしまった河川を復元させる力を秘めています。苅田町がEM活性液の無料配布に取り組むようになったのは、もとはといえば苅田町立馬場小学校の児童達が「町内を流れる殿川をめだかのすめる川にしよう」という働きかけからでした。EMは自然界に存在する80種もの良い微生物の働きで河川の汚れを分解し、ひいては自然界そのもののバランスを保つことに役立ちます。米のとぎ汁は河川のヘドロの最大の要因とされていますので、米のとぎ汁発酵液を作って使用すれば河川を汚さないことで2倍の貢献をすることができるという訳です。
廃棄傘で作る買い物袋は苅田地区婦人会が平成14〜15年度に取り組んだ活動で、これまでに約800枚の買い物袋を作り、普及に努めてきました。マイバッグを持って買い物に行き、レジ袋の使用を減らすことは、資源の無駄遣いやゴミの量を抑制することにつながります。
環境に対してやさしくあろうとすることは、何よりも一人一人の自覚と継続する力が必要です。米のとぎ汁活性液の作り方・活用の仕方、リサイクル買い物袋の作り方を知りたい方は気軽に声をかけてください。詳しい説明および指導にお伺いします。
【連絡先】 EM友の会:上野 TEL093-436-0350
松岡 093-434-3243
苅田地区婦人会:会長 角野祥子 TEL093-434-0015
Vol.7
今年は早々と6月からいくつも台風が接近して、とてもおかしな梅雨ですね。なぜ台風がこんなにも早い時期にいくつも発生して大型化し、日本に接近するようになったのでしょうか?
簡単に理由を見つけるのは難しいかもしれませんが、地球が温暖化しているのもその一因かもしれませんね。
さて、その梅雨の合い間を縫うように6月15日、町立片島小学校の5年生がエコ・ステーションに環境学習にやって来ました。
☆まいた種が生えた!?
片島小学校では、6月25日の研究授業に向けて「ゴミを減らそう」というテーマで「どうすれば自分たちの力で身近なところからゴミを減らすことができるか」に挑戦することになりました。そこで、真っ先に思いついたのがエコ・ステーションでした。
6月15日午前9時、元気な片島小学校の5年生11名が2人の先生と共にエコ・ステーションに到着。先ずは、持参した空き缶を空き缶回収機に投入することから、体験の始まりです。子ども達は、初めて見る機械に期待と驚きのまなざしです。空き缶の投入と同時に回る回るドラムを食い入るように見つめます。
マークが揃って商店街のチケットを手に入れた子ども達は、意気揚々。チケットを手に入れることができなかった子ども達は、「このつぎに又、家族の人と空き缶を持ってこよう・・・」と、再挑戦を胸に期してみんなで苅田町の紹介ビデオを観賞。その後、4R運動についての説明を熱心に聞きました。
4Rを「てんぷら油」を例にとってわかりやすく説明をすれば
○ まったく、「てんぷら油」を使わない努力をする Refuse(リフューズ)
○ てんぷらをあげる回数を減らしたり、てんぷらをあげる時に
使う油を少なくする工夫をする Reduce(リデュース)
○ 「てんぷら油」をこして何度も使ったり、炒め物などに使うReuse(リユース)
○ 使った「てんぷら油」を捨てずに、それで廃油せっけんを作る Recycle(リサイクル)
となります。
ほかにも、廃傘を使って買い物袋ができることやEMボカシを使って生ゴミを減らす方法などの勉強をしました。廃傘でどんなふうに買い物袋ができるのかを見たり、EMボカシで処理した生ゴミのにおいをかいだり・・・。
きわめつけは、空き缶回収機の中を開いてエコステーション事業部の友田さんから機械の説明を聞いたときです。わかりやすく説明をされる友田さんに、子ども達は目を輝かせながら素朴な(時には専門的な)質問が次から次へと発せられました。「つぶれた空き缶を入れるとどうなるの?」「機械は、どうやってアルミ缶とスチール缶を分けてるの?」などなど・・・・。(ちなみに、空き缶回収機は500ml以下の完全な空き缶しか受け付けませんし、飲み残しや異物の入った空き缶は機械が故障する原因になります。)
やった〜! エコ・ステーションは充分、子ども達の役に立っているゾ!
いよいよ、苅田町商店街の中で環境学習が確実に根付き始めたようですね。
☆さらに前進・・・
その後子ども達は、実際に見たり聞いたり体験をした中から、少しずつ具体的に自分達にできることを考え始めました。
人から強制をされてするのではなく、自分からすすんでゴミを減らすことを真剣に考えて、実践する・・・・。とても難しいことですが、片島小の5年生は確かに前に向かって進んでいます。私達、大人が子ども達から気づかされることも多いような気がします。エコ・ステーション事業部ではできるだけ子ども達の活動を応援してあげたいと考えています。このつづきはエコ・ステーション通信bWで詳しくお知らせ致します。
Vol.8
例年になく厳しかった夏もそろそろ終わりを告げようとしています。苅田町商店街では、この夏の参議院選で前代未聞の選挙セールに取り組みました。投票率アップと商店街への集客を結び付けたアイディアは、ことの他反響があったようです。
さて、遅くなりましたが、片島小学校5年生11名のその後の報告です。
☆片島小5年生フリーマーケットに出店!
6月15日、エコ・ステーションに環境学習にやって来た苅田町立島小学校の5年生11名は、7月1日にボカシ・廃棄傘による買い物袋・廃油せっけん作りに挑戦しました。それぞれの班に分かれた子ども達は、それぞれの作り方を5名の担当講師の方々から教わりました。
熱心に説明を聞いた子ども達は、みんな真剣なまなざしで作業に取り組みました。廃棄傘の買い物袋は傘をほどくことから作業を始めたために少々時間がかかりましたが、それでも根気強く最後まで頑張りました。初めてミシンに向かったという生徒さんも講師の方との息もピッタリで、とても初めてとは思えないほどの腕前です。廃油せっけんも講師の方が驚くほどの出来ばえですし、ボカシ作りも子ども達と講師の方々が和気あいあいと話をしながら、あっという間に作業が終わってしまいました。
この日だけですべての作業が完了した訳ではありませんが、子ども達は出来上がったものを商品としてパンジープラザで行われるフリーマーケットに向けて出店する予定をしていましたので、他にも古着のリサイクルに取り組む班や、持ち寄ったおもちゃやカードを袋詰めにする班など、準備に余念がありません。すべての子ども達が、生き生きと自分達の役目を果たそうとしている姿が印象的でした。
そして、その結果が7月10日のフリーマーケット出店の当日に現れました。16袋できたボカシは30円売りで完売。廃棄傘で作った5枚の買い物袋も80円売りで完売しました。古着やおもちゃなどすべての売り上げの合計4,961円は、子ども達の手によって苅田町役場に届けられました。子ども達にとっては売り上げもさることながら、それまでの過程で得られた様々な体験や交流が貴重な宝物になったことでしょう。
また、廃油せっけんは作ってから1ヶ月の静置期間を必要とするため、子ども達は廃油せっけんを含めた2回目の出店にチャレンジする計画を立てています。苅田町のみなさん、どうか片島小学校5年生の更なる挑戦を応援してあげて下さいね。
☆苅田町商店街が「グラフふくおか」に登場
この6月15日の片島小学校の環境学習の模様が8月9日発行の「グラフでふくおか」で紹介されました。今回は県下のユニークな商店街が特集として取り上げられています。
「グラフふくおか」は官公庁・銀行などで見ることができます。是非、ご覧下さい。
また、「グラフふくおか」の必要な方は、ピュアタウン苅田(苅田商工会議所内)までご連絡ください。
Vol.9
苅田町にエコ・ステーションが開設してから丸一年が経過しました。その間にエコ・ステーションを訪れた人数を数えたことはありませんが、集まった空き缶の多さが反響の大きさを物語っています。少しずつ少しずつ、存在価値を高めてきたエコ・ステーション事業は、この秋から冬にかけて、更に飛躍が期待できそうです。
☆ようこそ、苅田町へ
平成16年9月8日(水)、築城町から築城町立小山田小学校の5・6年生6名と築城町立船迫小学校の5・6年生12名が社会見学の一環として苅田町商店街に環境学習に立ち寄ってくれました。
日産九州工場の見学の後、苅田商工会議所で昼食をとりながら、あらいぐまのカンタ君から「身近にできるゴミの減量法」を学びました。
身近で見かけられる3大ゴミは、1.タバコのすいがら 2.ビニール袋 3.空き缶 ですが、空き缶・ペットボトル・新聞紙などをリサイクルするためにはゴミの分別が大切なこと、ゴミそのものの量を減らすためには、使えるものは最後まで無駄なく使い切ること(ノート・えんぴつなど)、なるべく詰め替え式のものを購入すること(シャンプー・洗剤など)、使えるものは何度でも使うこと(ビールびん・一升びんなど)、いるものを必要な量だけ買うこと(まとめ買い・衝動買いを控える)などを勉強しました。
エコ・ステーションで実際に空き缶を回収機に投入する体験をした子どもたちからは、「私たちの町にもこんな機械があるといいのになぁ」という声があがっていました。
☆ステップアップする商業体験販売
昨年度、好評を博した苅田町立新津中学校の商業体験
販売を今年度も実施することになりました。昨年度は企
画に留まっていた商品の仕入れを、今年度は実際に自分
たちが自ら交渉する体験に挑戦しました。事前にどのよう
な商品がどのように売られているかの市場調査もしまし
た。ものを買う立場から売る立場へと、今までとは異なる
視点で見る気づきもありました。
初めて仕入れの現場に身を置いた子ども達は、最初は
戸惑っていたものの、お店の方のアドバイスもあって何と
か仕入れの難関をクリア。商業体験販売の第一歩を踏み
出しました。
商売で仕入れが最も重要な位置を占めていることは
言うまでもありませんが、本当に自分達で売りたいものを
自ら交渉して手にした商品の販売には、きっと昨年以上の
熱意が感じられることでしょう。お店の方に積極的に商品
や売り方についての質問をした子ども達は、晴れやかな笑
顔で元気良くお礼を言って帰って行きました。
これから出店の当日まで、班のみんなと協力をして宣伝の方法を考えたり実際に販売体験を積む中で、きっと自他共にもっともっと様々な変化を経験するに違いありません。
☆新規参入<キッズ・マーケット>
新津中学校のステップアップもさることながら、今年度は苅田町立与原小学校と苅田町立片島小学校が新たにキッズ・マーケットに挑戦することになりました。小学生の体験販売は恐らく北部九州では初めての試みで、画期的なことです。
中学生に負けないパワーで、やる気満々の与原小学校4年生のキッズ・マーケットは平成16年12月4日(土)開店。現在、着々と開店に向けて準備に取り掛かっている最中です。
更に2月には片島小学校の子ども達もキッズ・マーケットに取り組む予定です。
小・中学生の元気が商店街を元気づけ、更には苅田町をも元気づけること請け合いです。苅田町のみなさん、どうか期待しつつ子ども達を応援してあげてくださいね。
小学生のキッズ・マーケットの模様は次号で詳しくお知らせ致します。
Vol.10
苅田町商店街では、平成16年11月6日(土)に苅田町立新津中学校が昨年に続いて2度目の商業体験販売に挑戦しました。今回は、その模様を詳しくお知らせ致します。
☆大成功!新津中・商業体験販売
平成16年11月6日(土)、苅田町商店街内マルショク横の駐車場で今年も苅田町立新津中学校の1年生185名が商業体験販売に取り組みました。今年は天気にも恵まれ、昨年度の反省も活かされて、何しろ手際の良さが目立っていました。各店のネーミングにも念が入っていますし、風に飛ばされないように幟まで準備をする熱の入れようです。
準備万端、開始時間を少しばかり繰り上げるほどの余裕で、お客様の出足も順調。客足は終始途切れることもありません。プラカードを持って宣伝をして回ったり、商品を小分けにして大声で売り歩く姿は、昨年同様活気があって「ついつい、多めに買ってしまった」というお客様もいらっしゃいました。中には
「奥様にお花を買っていかれませんか?」
「おいおい、うちの奥さんはまだ生きとるぞ」
「エッ・・・!?」
「それは御前花といって、仏様にお供えする花だぞ」
「ああ、そうなんですか・・・」
といったやりとりも。お客様とコミュニケーションを取るだけでなく、生徒は「御前花」の意味を初めて知ることができました。また、「品物を全部買おう」と言われて計算にてこずったり、「まけろ」と言われて即答に困ったりと、お客様との間のやりとりは日頃経験することがないだけに新鮮だった様子で、生徒達の顔は一様に輝いて見えました。商業体験販売を通して相手の立場に身を置くことで、意識せず結果的にロールプレイングをしていることにもなりました。
正味2時間ばかりの体験ではありましたが、生徒達は自主的に動き、コミュニケーションを取り、協力と笑顔なくしては商売が成り立たないことを身をもって悟ったに違いありません。商店街でご商売をされている方からは、「いつもこんなに賑わっていたらいいのに。今日は私達も元気付けられました」という感想を聞くことができました。
今年は事前学習が行き届いていたせいでしょうか、予定していた時間内にすべてのお店で完売!誤解を恐れずに言わせて頂けるならば、本当はチョット売れ残って、赤字が出るお店もあって欲しかった・・・。なぜならば、それが世の中の縮図であり、売り上げの悪いお店があって始めてみんな同じではないと認識できたり、助け合ったり、赤字の出た原因を探ったりもできるから。来年は、少しくらいの失敗を恐れないで挑戦をしてみましょうか?
ただ今年度の特色ある収穫を上げるならば、度重なる台風による被害で生鮮食品の値段が高騰、事前まで値段が不安定だったことです。天変地異が作柄に影響を及ぼし、個人の家庭に直結していることを子ども達は感じ取ってくれたのでしょうか?同じ種類であっても品物によって値段が大きく変る場合があること、それは例えば生鮮食品で言うならば、今回のように自然災害によるものであったり、有機農法で作られた付加価値のあるものであったり、産地の遠近によるものであったりと様々です。値段の付け方ひとつをとっても更に学習を発展させることも可能です。産地の学習をすることから地産地消の利点を考えたり、消費者のニーズを捉えることによってこれからの農業のあり方を考えたり、ひいてはエネルギー問題を考えるきっかけとも成り得ます。子ども達は環境と経済が切っても切れない関係にあることにも思いが及ぶかもしれません。商業体験販売によって開けるかも知れない道には限りがありません。
体験販売の最後に、新津中のみなさんは駐車場のゴミ拾いまでして体験を終了してくれました。ふだん何気なく捨てられているゴミに対する意識も変ったかもしれませんね。
☆ワクワク・ドキドキ準備中
10月からキッズ・マーケットの準備に取り掛かっていた苅田町立与原小学校4年生91名は、現在、看板づくりも終え値札づくりの真っ最中。みんなで協力して初めてのキッズ・マーケットに向けて頑張っています。販売が予定されている商品は果物・野菜・お菓子などです。
尚、前号で新津中の店名としてご紹介したのは、与原小キッズ・マーケットの店名の間違いでした。お詫びして、ここに改めて12月4日開店の与原小キッズ・マーケットの店名をお知らせ致します。
☆エコ・ステーションを新聞に
築城町立小山田小のみなさんから、手づくりの新聞が届きました。9月8日に社会見学でエコ・ステーションに立ち寄った時のことを記事にしてくれました。一人一人の感動が伝わって来そうな紙面です。エコ・ステーションに掲示してありますので、どうぞご覧下さい。